先日、新聞記事で「Tesla（テスラ）がハッカーと連携する」というニュースを目にしました。

もともとテスラは、バグ発見や脆弱性の報告に対して多額の賞金を出す

“バグバウンティ”を積極的に実施していることで知られています。

しかし今回の記事を見ると、その取り組みがさらに踏み込んだ形で

新たなステージに進んでいるように感じました。

日本で暮らしていると、手段やルールを重視するあまりに、

本来の「目的」を見失ってしまうケースが多いと感じます。

たとえば補助金や助成金を申請する際、書類が煩雑すぎるとか、

企業のルールが厳しすぎるとか。

さらには中間管理職の立場の人たちとも「どうやるか？」ばかりが先行し、

「何のためにやるのか？」という肝心の目的が置き去りになってしまう。

そんな光景を、日常的に目にすることはないでしょうか。

この状況は、まるで「自転車に乗れるようになる」ことがゴールなのに、

「転んだら危ないから」と言って乗ること自体をやめてしまうようなもの。

転ばないように準備することは大切です。

しかし、「転んで学ぶ」ことを恐れていては、一向に自転車に乗れるようにはならない。

同じように、リスクを避けるあまり、目的が達成できなくなるのは本末転倒です。

一方、テスラがハッカーと連携するという取り組みは、

まさに「目的を最優先」に置いた戦略だと感じます。

脆弱性を突かれる前に見つけ出し、さらに解決策まで提示してもらう。

一見すると「リスクが高いのでは？」と思うかもしれませんが、

それよりも「目的」に対するメリットが大きい。

だからこそ、彼らは大胆な手段を選べるのだと思います。

もちろん、どの国や組織でもリスク管理は必要不可欠。

しかし、「目的が何か」を常に意識しながら、

それに見合った最適な手段を選ぶことのほうが、

最終的には大きな成果を生むのではないでしょうか。

日本でも、新しい発想で行動する文化がもっと広がっていけば、

大きな飛躍につながるチャンスはまだまだあると信じています。

「自転車に乗れるようになるには、いつかは漕ぎ出さないといけない」。

そんな当たり前のことを、今回のテスラ×ハッカー連携のニュースが

改めて教えてくれたように思います。

失敗を恐れず、一歩踏み出すこと。

そしてゴールをはっきり見据えたうえで、柔軟に手段を選択すること。